第12章 恋知りの謌【謙信】湯治編 〜おしおき〜
あられもない全てを謙信にさらけ出させられ、
恥ずかしくて仕方がないのに、
美蘭の下半身はジンジンと熱を持っていた。
じわじわと愛液が満ちてきていることには気づいていたが、謙信にそれを暴かれ、羞恥と期待に全身が震えた。
次第に硬く立ち上がってきた花の蕾。
「どうした美蘭?何かして欲しいことでもあるのか?」
謙信は、色違いの瞳を細め、口端を上げた。
「…っ。意地悪…言わないで…ください…っ。」
全て見透かしている癖に、謙信がわざと分からないふりをしていることは必至。
いつもなら、すぐに欲しい刺激をくれて甘やかしてくれるのだが、謙信にそのつもりはないらしい。
「生憎俺は鈍感でな。伝えてもらわねばわからぬ。」
「…っ…。」
「何が望みだ?」
美蘭は、
半べそをかきながら、言った。
「…触って…ください…っ。」
謙信はニヤリと笑うと
両手を花びらから離し、
美蘭の尻から太腿にかけて、ゆるゆると摩りはじめた。
「…っ…。」
それは、美蘭が求めている刺激ではなかった。
「何か不満があるのか?」
「…っ…どうして…っ…。」
「言葉にせねば、わからぬ」
尻から太腿をゆるゆると、優しく撫でる手のひらはそのままに、下から美蘭を見上げる謙信の視線には、鋭い光が宿っていた。
「…っ。」
美蘭は、謙信が、椿への複雑な思いを謙信に話せなかったことを言っているのだと、察した。
触れてほしくて熱くジンジン疼く蕾に耐え、物足りない刺激に不満を覚えながら、言った。
「椿さんのことでいろいろ心配だったのに…伝えなくてごめんなさい。織田のみなさんには偶然話しの流れで…わたしが泣いてしまったので知られただけで。相談したわけじゃありません。」
謙信に甘やかされ慣れた美蘭の身体は、いつもならすでに与えられている筈の刺激が得られず辛そうで、流石の謙信も、すこしやりすぎたか?と思い始めていたのであったが
今の美蘭のひとことで
織田の武将たちは美蘭の本音や涙を引き出せたのに、自分は、無理して笑顔を向けさせることしか出来なかったことを改めて思い知らされ、
謙信は、胸がチリチリと焼け付いた。