• テキストサイズ

【YOI・男主&勇ヴィク】貴方の、『a』のみの愛。

第3章 『a』という名の、喜怒愛落。


「だから、勇利達の音楽が一定レベル以上だって確信したから、俺は踊ろうと決めたんだよ。君達、スケート以外でも自己評価低くない?」
「それって、結局騙し討ちだよね?競技には使わない約束だったのに」
ヴィクトルのEXが流れて以降、スケーター仲間や一部スケオタ達からの追求を、勇利と純は持ち前の塩対応とポーカーフェイスで知らぬ存ぜぬを通していたが、暫くの間頭痛と胃痛に悩まされていたのである。
「俺、嘘ついてない。使ったのは競技じゃなくてEX…ぁっ」
「僕と純がどれだけ度肝抜かれたか判る?真夜中だったのに、2人で長谷津と京都で家族に叱られるレベルの大絶叫だったんだから」
上気した頬と裸体を惜しげもなく晒しながら、ヴィクトルはシーツの上で湿った吐息をひとつ漏らす。
しかし、勇利達を驚かせる事が出来たのが満足だったのか、背後から絡み続けている勇利の腕の中で、コッソリと含み笑いを零していた。
「俺、あの音で滑ってる時にはいつも視線の向こうで勇利が歌ってるのが見えたんだ。勇利だって、踊ってる俺の姿を見ながら歌ってたんだろう?」
「う、えっと…その」
「答えなさい。コーチ命令」
「そういう時だけ都合良くコーチ面するの!?」
ここでヴィクトルの言葉を素直に肯定するのはどうかと勇利が頭を悩ませていると、体勢を変えたヴィクトルが、勇利の上にのしかかるようにして両頬を挟んできた。
乱れた銀髪に、首筋や鎖骨をはじめとした至る箇所に残るうっ血痕を認めて、何度目かの下腹部に熱が溜まっていくのを覚えたが、
「僕、一応未だ怒ってるの。だから言いません」
「勇利のケチ!あのコはもうそんなに怒ってなかったのに」
「あのコって、純の事?」
「うん。二言三言チクチクはやられたけど、秘蔵のお宝画像もくれたし」
ホラ、とベッドサイドのスマホを手に取ったヴィクトルが見せてきた画像を確認した直後、勇利の口から『a』という驚愕の悲鳴がほとばしった。
「純ー!君、なんばしよると!!」
『やかまし!デコ露助への怒りも忘れて惚気とったアホの戯言なんか聞かんわ!』
「え~、このアイドルコスプレの勇利可愛いじゃない。ロックかけて永久保存にしたから♪」
「あああぁ、もぅ!」
純との電話を切った後で、勇利は愉快そうに笑っている恋人の身体を荒々しく組み敷いた。

─完─
/ 12ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp