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大切な物【D.Gray-man】

第5章 マテールの遺跡



神田が目を覚ました翌日私はアレンの元へと向かった。

彼は膝を抱え込むよに座り頭を伏せていた。



「アレン」


「あんな…」


私だと気付くも顔は上げてくれない。
やっぱりまだ引きずっているのだろう。


「もー!アレンってば、これじゃあ頭撫でてください!言ってるようなもんだぞー!」


「わっ、ちょっ」


アレンの頭をワシャワシャと撫でる。
前から思っていたが彼の毛は柔らかくて気持ちがいい。
これならいくらでも撫でていられそうだ。


「ふふふ、まだまだ私の手はとまらな…ギャッ!」


ゴンッという鈍い音がし私の頭に痛みが走る。


「何アホな事してんだ」


「神田っ!なんで頭叩くのっ!?」


「あれ…?全治5か月の人がなんでこんな所にいるんですか?」


「治った」


「私の事は無視かい」



私を華麗にスルーし近くにドカッと座る神田。
もうすっかり怪我は良くなったらしい。


(どういう訳か昔から傷の治りが早いんだよね…不思議…)



ずっと疑問には思っていたが今更聞くのも変だと思って聞かずにいた。








「俺とこいつはこのまま別の任務に行く。お前は本部にイノセンスを届けろ」


「…分かりました」


「アレン、辛いならもうあの人形止めてきていいんだよ」


「約束したんです」


「甘いなお前は。俺達は破壊者だ。救済者じゃないんだぜ」


「…分かってますよ」


やっとアレンが顔を上げる。酷く辛そうな顔をしていた。
分かっていても心がついてこないのだろう…。



その時だった。



「歌が…止まった」





三日間歌い続けた人形は動きを止めた。








「それじゃ、イノセンスよろしくねっ」


「分かりました。あんなも気を付けて」


「おい、さっさとしろ、置いてくぞ」


「って、もう置いてってるじゃん!それじゃ、またねアレン!」




無事にイノセンスを回収することが出来た私たちはアレンと別れ、別の任務へと向かったのだった。


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