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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)





…カツン、カツン…

近づいてくる足音が
やけにゆっくりに思えてドキドキする。

びっくりするかな?
そしてやっぱり、
帰れって、怒るだろうか?


…カツン、カツン…
間近に迫った足音。
じっとしていられなくて、
立ち上がり、階段の方を見つめる。


…カツン、カツン…
じれったいほどゆっくり近づく足音。

そして、
壁の向こうから現れる、
待ち望んだ姿。

『…いっ、ちゃん?』


やっぱりまずは、驚きの声。
きっと次は、怒られる…と思ったのに。


『…いっちゃん、だぁ…』

こっちが驚くほど、
力の抜けた声で、俺の名前を呼ぶ。

『…綾ちゃん?』

足音がゆっくりに感じたのは、
気のせいではなかったようだ。

こっちに近付き、
ドサリ、と、俺に抱きついてくる。


『…ちょ、綾ちゃん?!』

酒に弱いはずの綾ちゃんから、
フッ、と、アルコールの匂い。

『…飲んでんの?』

『いっちゃんがいる~。
会いたかった~。なんで~?』

え?
今、"会いたかった"って言った?!

予想もしない展開にびっくりしながら、
逆に俺の気持ちは
スッ…と冷静になっていくから不思議だ。

『綾ちゃん、鍵は?』

綾ちゃんを支えたまま
バッグの中から鍵を探しだし、
玄関のドアを開ける。

『俺も入るよ?』

『んー、どーぞどーぞ。』

小さな玄関に滑り込むと、
綾ちゃんは自分で靴を脱ぎ、
くるりとこっちを向く。
…顔色が、悪い。

『ね、いっちゃん、あのね、』

『ん?』

『気持ち、悪い。』

『え?!』

『吐く。』

『えぇっ?なら、トイレ、トイレ!』

トイレに押し込んでドアを少しだけ開けておく。
…呼ばれたら、すぐ、行ってあげられるように。

中から、
小さく咳き込むような音。
そして、水を流す音。

…よかった。
激しく戻すほどは飲んでないみたいだ。

トイレから出てきた綾ちゃんを
今度は風呂場に連れていく。

『シャワー、一人で、大丈夫?』

ん、と、頷く綾ちゃん。

『何かあったら呼んで。俺、すぐ来るから。』

…まもなく聞こえてきた
シャワーの音に気を配りながら、

フゥ、と、深呼吸。

…予想していなかった展開。
これから、どーなるんだろ?

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