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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




『…俺、どうしたらいい?』

『何に対してさ?』

『何もかも。』

『そりゃ、
1人に決めるか両立を目指すか、
それ次第じゃないの?』

…それが、辛いんだ。
気持ちは、今、完全に、
綾ちゃんに向いてると
ハッキリ自覚してしまった。

それなのに両立なんて、俺には無理だ。

だけど。

『…彼女は何も悪くねぇのに、
別れよう、とか、俺、言えねぇよ。』

『まっつん、無駄に優しいねぇ。
…ま、冷たい言葉で言うなら
逃げてる、ともいえるんだけど~。』

腹の立つ言われ方だけど、
確かにそうだと思うから
反論もできなくて。

『な、頼むよ、お前、女の達人だろ?
どうやったら、傷つけずに別れられる?』

『あれ、
朝は"女たらしクソヤロー"だったのに、
今は"達人"に格上げしてくれんの?』

…しつこいな(笑)
でも、悪気がないのもわかってるし、
今、頼れるのは、コイツだけだ。

…母親の友達が好きだから
彼女と別れたい、なんて言ったら、

岩泉ならきっと"バカかっ!"と
ソッコー、一発殴られそうだし、

花巻に言ったらきっと、
目をむいて鼻血出すはず。

なんだかんだいっても、
柔軟に対応してくれる面倒見のよさは
及川にかなうヤツは、いない。

『あぁ、頼むよ、達人キャプテン!』

フフン、と笑った及川は、
一転して真面目な声で言った。

『…いっとくけどさ、
彼女と別れたからって、
綾さんとめでたくカップル成立、
ってわけにはいかないかもよ?
下手したらどっちも失うかもしんないけど
それでもいいんだね?

俺的にはとりあえず
しばらく両立をオススメしたいけど。

高校生らしい
オープンで爽やかなつきあい、
手放しちゃっていいんだね?』

及川らしいアドバイス。
だけど、俺はそんな器じゃないことは
自分が一番よく、知ってる。

『自分にも彼女にもウソついてまで
つきあったって、楽しくねぇだろ。』

『…だよね。
それがまっつんらしい選択だと思う。』

さて、と呟いた後、
及川は言った。

『そうなると、やっぱ、
まっつんが彼女にフラれるのが
1番、いいんだよね。
それもさ、
まっつんの浮気がバレて、じゃなくて、
彼女から自主的に、が、理想的かな。』

『…浮気、じゃねぇけどな。』

俺のささやかな抵抗は
もちろん、軽くスルーされて。


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