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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




…そんなわけで、
今日、2度目の綾ちゃんち。
ドアを叩くのに、ちょっと勇気がいる。

一歩間違えれば、ストーカー。
綾ちゃん、驚くかな?
呆れるかな?それとも怒るかな?

あんまりしつこいと、
嫌われるんじゃねーかな…

台所の小さな窓から灯りがもれてて、
そこに動く影がうつってる。
きっと綾ちゃんが、
食器、洗ってるんだ。

エプロンをつけた綾ちゃんの姿を
思い浮かべた瞬間、
さっきまでのためらいも忘れて

"ドンドン"
ドアを叩き、

『綾ちゃん、俺!』
声をかける。

ドアは、思いのほか、早く開いた。

『あぁ、いっちゃん!よかったぁ、
及川君の学生証でしょ?!』

『うん。』

『ひとり?及川君は?』

『…帰った。
帰る途中で気づいたみたいで、
取って来いって連絡あったから。』

『そうなのね。ちょっと待ってて…』

『いいよ、俺、取る。
綾ちゃん、洗い物中だろ?続き、やって。』

『そう?じゃ、あがって。
ご飯食べたテーブルに置いてある。』

和室に入ると、
テーブルの上に、確かに、学生証。
…そして、
及川が言ってた黄色い花も、ある。

『…ね、綾ちゃん、』

『んー?』

『これ、なんて言う花?』

『名前?なんだろうね?
けど、なんかかわいいでしょ?
スーパーでつい、買っちゃった。
花、買うなんて久しぶりでね、
花瓶なくて、コップ。女子力、ゼロ(笑)』

及川が言ってた通り。

『でも、いっちゃんが気付いてくれたなら
お花、買ってよかったわ。
ほら、なんか、この部屋、殺風景でしょ?』

『…花に気付いたの、俺より及川が先。』

『あら、そう?さすが及川くん。
社交的だし、よく気がつくし、
モテる要素で出来てるような人なのね。』

確かに及川は、そういうヤツだ。

そして、その及川が気を利かせて
学生証を置いてきてくれたから
俺は今、ここにいるんだけど、

だけど、

なんか、悔しくて。

及川と俺、
何もかもが違うタイプってわかってるから
今まで3年間、
一度もこんなこと思ったことなかったのに

『ねぇ綾ちゃん、』

台所にいる綾ちゃんに、話しかける。

『ん?』

『及川に会えて、嬉しかった?』

わかってる。
これは、嫉妬。

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