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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)



及川は、すげぇ。

綾ちゃんと初対面なのに、
詳しいことには何も踏み込まないまま
当たらずさわらず、でもちゃんと
いつもの及川のキャラで相手を笑わせて。

…俺、いなくて、いーんじゃねーの?
ってくらい、楽しげな雰囲気…

ハンバーグは、すげぇ、うまかった。
俺も及川も、白飯、三杯、おかわりした。
つけあわせのスープもサラダも、
デザートに出てきたみかんゼリーも、

どれも、
食べたかった綾ちゃんの味。

なのに全然、
舞い上がった気分になれなくて。

『ふわぁ、食べたー!
綾さんの料理、いいなぁ。
俺、胃袋、掴まれたっ。
また、食べに来てもいいですか?』

は?!
また来るつもりってことか?!

『いらっし…』

『やめろって。
綾ちゃん、忙しいんだから。
貴重な休みにチャラ男の世話してたら
休みになんないだろ!』

『あー、なんか棘のある言葉じゃーん。
まっつんの飯は、作らせんのに?』

『俺は、』

…俺は、いいのか?
今日の綾ちゃん、及川相手に、
すげー、楽しそうだった。

もしかして、
俺じゃなくても、いいのか?
楽しい話し相手になってくれれば、
息子の世話するみたいな気分になれれば、

…もし、及川が綾ちゃんに迫ったら、

綾ちゃんは、受け入れる?
キスくらい、してしまうのか?
大人にとって、挨拶代わり、みたいな?

『やーだなぁ、まっつん。
そんな怖い顔、しないでくんない?
冗談だよ、冗談。』

笑いながら、及川は、立ち上がる。

『綾さん、急にお邪魔したうえに
おいしい夕食までご馳走になっちゃって、
ありがとうございました。』

むむ、及川、帰るのか!

『じゃ、俺たち、ここらで失礼します。』

おぉ、帰れ帰れ!
…ん?
"俺たち"って?

『行くよ、まっつん。』

『え?俺は、まだ…』

『なーに言ってんの。
もう、飯、食ったんだからさ。
あとは綾さんの貴重な休日。
大人には大人の夜の過ごし方が…
ね、綾さん!』

追いたてるように
俺まで帰り支度をさせられる。

綾ちゃんが何か言って
俺を残らせてくれないかと思った、けど。

『楽しかったぁ。二人とも、ありがと!』

そんな、
当たり障りのない言葉で見送られて。

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