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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)



"ドンドンドンッ"

『綾ちゃん?俺だけど。』

ドアに耳をくっつけてみる。
部屋の中からは、
綾ちゃんの声どころか
物音ひとつ、しない。

…ふと、頭をよぎったのは、
綾ちゃんが俺の家から
突然いなくなったあの日のこと。

そんなわけ、ないよな?
今日、会うって、約束したじゃん。
2回も、俺の前から消えるなんて、
そんなん、頼むから、やめてくれよ…

ドアに頭をくっつけたまま、
ガチャガチャとドアノブを回してみる。
…鍵、かかってる…

いない?
なんで?
なんで?
いない?

…一生懸命、あれこれ考えようとするけど
頭に浮かぶのは同じ言葉の繰り返し。

フリーズしていた俺の耳に、
階段の方から、弾けるような
若い男の笑い声が聞こえてきた。

…隣の部屋の大学生?
聞いてみよう、
最近、綾ちゃん、見たか、って。

階段の方角を見つめていた俺の目に
間もなく見えてきたのは、

『あ、いっちゃん、いた!早かったのね!』

…財布を握った綾ちゃん。
そしてその横に並んでるのは、

制服姿で爽やかに笑う姿が
異様にチャラチャラしてて、
そして俺のよーく知ってる、

『はぁい、まっつん!』

…及川 徹?!

『なんでお前がここに…っーか、
買い物袋持ってそこで何してんだよっ?!』

『やだなぁ、まっつん。顔、怖っ。
岩ちゃんにそっくりだよ!
レディの前では、笑顔、笑顔!』

コイツに話しかけてもしょーがない。

『綾ちゃん、どーいうこと?
コイツと知り合いなんて、俺、
ヒトコトも聞いてねぇけどっ?!』

『だって、知り合ったの、たった今…』

『へぇ、
森島さん、綾って名前なのかぁ。
呼びやすくていい響きだなぁ!』

『及川、お前、ちょっと
黙っててくんねーかなっ?』

俺の言葉なんか聞こえなかったように、
及川が買い物袋を覗き込みながら
綾ちゃんに話しかける。

『綾さん、これ、早く冷蔵庫に
入れた方がいいんじゃないですか?』

『…そうだね、ね、いっちゃん、及川君、
とりあえず、あがろうか?』

『そうですね、そうしよう!』

『…お前が返事すんなっ!』

…俺は今、初めて、
いつも及川にマジギレする岩泉の気持ちが、
心から理解できた気がした…

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