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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




考えてみたら、ここんとこの俺、
…部活、引退したし、
綾ちゃんも急にいなくなって…
何もかも、なげやりだったと思う。

進路のこと考えるのも面倒だったし
彼女にも、あんまり構わなかったし
母さんのことも、ウザいと思ってた。

だから、
こんなにちゃんと毎日を過ごすのは
結構、久しぶりだった。

放課後、
先生に呼び出されたりしないように
宿題も提出物もちゃんと出したし、

彼女とも毎日、昼休みも放課後も
一緒に過ごして、わがままもきいた。
…リクエストに応えて、
ラブホでやり直しのセックスもした。

"あの日"…彼女の部屋で挿入した途端、
親が帰って来て俺が逃げた日…以来。

今回も相変わらず痛がってたから、
至ってシンプルな体位で
何度か出し入れしただけだけど、
彼女は
"ちゃんと、処女、卒業出来た"って
喜んでたから、それはそれでいい。

母さんは…まぁ、相変わらずウザいけど、
そんなに冷たくは接しないようにしたし。

どれもこれも、
1週間後に綾ちゃんに会うため。
誰にもケチつけられないように、

すげー、頑張って過ごした。
すげー、毎日ちゃんとした。

そして、1週間後。
…水曜日。
綾ちゃんと約束した日。

大した約束じゃない。
"ハンバーグ、食べさせて"っていう
秘密でもエロくもない約束。

なのに、
朝からたまらなくワクワクして。

学校では、極力、フツーに。
何度も何度も時計を見て、
昼休みはちゃんと彼女と過ごして、
その時にさりげなく
"今日は用があるから一緒に帰れない"
って伝えて、
おわびにこっそり校舎裏でキスもして、

帰り支度もさっさとして、
終礼の後は、誰より早く教室を出て、
まっすぐ帰って、

一応、シャワーを浴びて、
…下心ではなく、
人様の家を訪ねるマナーとして…

一応、万が一に備えて
ポケットにゴムを忍ばせて、

がっついた感じにならないように。

走らず、階段も静かにあがって、
綾ちゃんの部屋の前に着く。

息を整え、
面接マナーで習ったみたいに、
中指の背中で、ドアをノック。

"コンコン"

『いっちゃん、いらっしゃい!』
って、ドアが開いて、
綾ちゃんの笑顔が…ない。

そもそも、ドアが、開かない。

…あれ?

もう1度。
さっきよりちょっと強めに。


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