• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




小さな和室で、
小さなちゃぶ台を挟んで向かい合う。

オムライスの黄色と
ケチャップの赤が、
異様に明るく見えて、

その向こう側に座る綾ちゃんまで
眩しく見えた。

『…なんか、サラダとかスープとか
つけてあげたかったなぁ。』

『これで充分。急に来た俺が悪いし。
ね、早く食いたい!』

『どうぞ、召し上がれ。』

『いただきまーす!』

あぁ、うまいぃぃぃ…

『そんなに急いで食べなくても、
誰も取らないから(笑)』

『んますぎて、止まんねー、もん。』

…3分くらいで、平らげてしまった…

ふと顔をあげると、綾ちゃんは
まだ全然手をつけてないオムライスを前に、
ニコニコしてこっちを見てる。

『食わねぇの?』

『見てるだけで気持ちいい。』

『ダメだよ、食わねぇと。』

『さっき、ビール飲みながら
ちょっと食べたから…ね、いっちゃん、
まだ入れば、私の分も、食べちゃって。』

グイ、と前に押し出された皿。

『…でも、』

『お腹、いっぱい?』

『いや、』

『なら、どうぞ。』

…押し返せない。
まだまだ食えるし、
そもそもうまいし。

『そんじゃ、いただきます。』

ニコニコしてる綾ちゃん。
なんか、なんか、してあげたくて、
でも、なんもしてあげられなくて、

『はい。』

『?!』

『これだけは、食って。』

スプーン1すくい分、前に差し出す。

『…いいって。』

『ダメ。俺も手伝ったんだから、
一口くらい食べて、感想、言って。』

『…あれ、いっちゃん、結局、何した?!』

『卵、混ぜた。』

ア、ハハハハハ…
綾ちゃんが、笑う。
笑いながら、パクリと食べて。

『うん、おいしい。格別、おいしい。
特に、卵の混ざりかたが最高(笑)』

『だろ(笑)』

残りは遠慮なくいただくことにして
パクパク食べる俺を見てた綾ちゃん。

『相変わらず、いい食べっぷり!』

『…だから俺、言ったじゃん。
定食屋したらいいって。
そしたら俺、毎日、食べに行くのに。』

『…ずっと専業主婦だったから、』



『ご飯作るのなんて、
当たり前だと思ってた。』



『夫も息子も、食べながら
テレビ見たりスマホ触ったりしてて、
味とか盛り付けとか、いっちゃんみたいに
褒めてくれたことないし。』

/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp