第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)
その瞬間は、まもなくやって来た。
『…ぁぁっ、ぅ…』
大きく背中をのけぞらせて
ギュゥッ…とワレメを押し付けながら
動きを止める綾ちゃん。
『ぉっ、ぁぁっ…やべぇ、マジで…ぅぅ…』
ナカの収縮に搾り取られるように
先端から白いモノを吹き出す俺。
…今までの人生で
(いや、それほど経験ないけど)
一番、気持ちいいオーガズム。
しかも俺、愛されっぱなし。
こんな快感、許されんだろーか…
目の前で、
裸のおっぱいが大きく上下してる。
息を荒げた綾ちゃんを
抱き締めようとしたら、
綾ちゃんは、ヨロッと身をかわした。
ポロン、と抜ける
小さくなったペニス。
綾ちゃんは、
脱ぎ捨てたブラウスをさっと羽織ると
黙って俺に
ティッシュとゴミ箱を俺に差し出した。
…心なしか、冷たい態度。
後処理したティッシュを捨てながら
綾ちゃんの方を見ると、
もう、ちゃんと着替えて
俺の着替えまで集めてくれてる。
あんなに熱い交わりの後だ。
もっと抱き締めあったりして
余韻を楽しんだりしたくないか?
なんなら、ゴムもあと1個あるし、
もう一回くらいシたっていいのに。
『…綾ちゃん、あのさ、』
『いっちゃんは今、』
軽く畳んだ俺の下着を
こちらにむかって差し出しながら。
『見境のない、
男に飢えただらしないおばさんに
無理矢理、犯されちゃったんだからね。』
は?
『なに、言ってんの?』
『だからいっちゃんは、全然、悪くない。
浮気じゃないから
彼女に申し訳なく思うこともないし、
静を裏切ったのは私だから、
いっちゃんはいつも通りにしてなさい。』
『なんだ、それ。
なかったことにしろ、ってこと?』
『そう。今夜のことは、忘れて。』
…前と一緒だ。
うちでキスしてしまった時。
あのときも綾ちゃんは自分のせいにして、
そして、
翌日、いなくなったんだ。
…思い出す。
あれからずっと感じてた
どうしようもない喪失感。
今日、探して探して探して、
やっと再会できて嬉しくて、
泣いたり笑ったりして、
…やっと触れられたのに。
忘れろ、なんて。
なかったことにしろ、なんて。
そんな、
『そんな勝手なこと、言うなよ。
俺の気持ちはどーなるんだよ!』