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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




話したいことも
尋ねたいことも
たくさん、ある。

だけど、
黙っていよう、と思った。

大人の秘密の話に対して
俺みたいな高校生に出来ることなんか、
ただ、黙って聞くだけだろ?

いつだって、
綾ちゃんは俺の話を聞いてくれたし。

楽しそうだったり、
真剣だったりして、
俺が話したいことだけを
ずっと聞いていてくれて、

それが、すごく、嬉しかった。

だから、今度は俺が聞き役。

…薄め(らしい 笑)のウィスキーに
ちょこっと口をつけた綾ちゃんは、
たっぷり考えてから、

ゆっくりと、口を開く。

『うちね、三人家族だったの。
夫と、私と、息子。
息子は、いっちゃんより、1つ年下ね。』

…俺が知らない、綾ちゃんの過去。

『恋愛結婚だったのよ。
夫の希望もあったから、
妊娠してからは仕事辞めて、専業主婦。』

…うちとは違う。
けど、綾ちゃんの家庭の方が
世間一般の、普通の家族だ。

『私、夫のこと、大好きだったのよ。
もちろん、時々ケンカしたりもしたけど
言いたいことを遠慮なく言えるのも
夫婦だからこそ、って思わない?』

…わからないけど。
まぁ、俺の"外の家族"のみんなも
そんな風だな、と思って、
黙ってうなずく。

『…息子が小学校にあがった頃から
夫婦の営みはなくなってきててね、
それがちょっと物足りなかったけど、
ま、子どもがいると、ほら、やっぱり
なかなか家の中ではやりにくいから、
そんなものかな、
とも思いながら、主婦して子育てして。
毎日、それなりに充実してたのよ。』

…セックスレスってやつか。
どうなんだろ。
男って、いつ頃、枯れるんだ?
今の"ヤりたい盛り"の俺からは、
"シたくなくなる"日が来るなんて
考えられないけど。

『息子は、運動は苦手な方でね。
…だから、いっちゃんみたいな
スポーツする高校生の暮らしって
私には新鮮で…大盛り弁当、とか。
でもうちの子、割と勉強は得意で、
ちょっと遠い進学校の高校に合格して、』

俺より1つ年下なら、
それが、2年前ってことか。
綾ちゃんが笑わなくなったのに、
それは関係あるのだろうか。

『寮に入ったの。
だから、家は、私と夫の二人暮らし。
…ちょっと、ワクワクしたのよ。
久しぶりの二人暮らし、
新婚時代以来だな、って。』

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