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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




ひとしきり、二人で笑って。
綾ちゃんなんか、
笑いすぎて、目頭が涙で濡れてる。

『…あぁ、もう。
いっちゃん、おもしろすぎ!』

『俺、基本、寡黙キャラなんだけど。』

『そんなの、うそだぁ、
いっちゃんといると、楽しすぎて…』

フッ、と、小さなため息。

『私ね、』

…空気が変わる。

『ここ2年くらい、
ほとんど、笑ったことなかった。』

2年。何の時間だろう。

『だから、静の家に転がり込んでから
二人と一緒に過ごした毎日、
生まれ変わったみたいに楽しくて。』

そんな、

『…俺、嫌われたんだと思ってた。
だから急にいなくなったんだ、って…』

『違う。逆。』

『逆?』

『そう、逆。楽しすぎて、このままだと
離れられなくなっちゃいそうだった。』

酒を飲んでるからだろうか。
今の綾ちゃんは、
さっきまでの"帰りなさい"モードとは
まったく違う。

…聞くなら、今しかない。

『じゃ、なんで急に黙っていなくなる?
店をやるなら定食屋にして、って
あんなに頼んでたのに、なんでわざわざ
俺の飲めないコーヒー屋にすんの?』

『…いっちゃんに、会いたくなかった。』

じゃあ、もしかして、

『この店、開いたことを
母さんが俺に教えてくれなかったのも?』

『そう。私が口止めした。
ここ、夜しか開けてないからね。
未成年が訪ねてきちゃ困るから、って。』

『…なんだよ、それ。
やっぱ、俺、避けられてんじゃん。』

綾ちゃんが
ウィスキーのボトルに手を伸ばすから、
俺がボトルを取り上げる。

『ダメだってば。
話、聞かせてくれなきゃ、これ以上、飲ませない。』

『でも、飲まなきゃ、話せない。』

…そういう話、なのか。

『じゃ、俺が作る。水割り?ロック?』

『ロック。』

…氷、多めに。
ついでに水も少し。

『あーっ、薄めすぎ!』

『そう?
俺、味見できないからわかんねーもん。
何しろ、未成年だから。』

『こんな時ばっかり未成年ぶる!』

『事実だからしょーがねーじゃん。
コーヒーも、牛乳入れなきゃ飲めないガキだよ。』

『腹たつ~。』

そう言いながらも、笑ってる。
それを見てる俺も、笑ってしまう。

…そして思う。

俺だって、
こんなに話したい相手、
他に、いない。


…すごく、会いたかった。


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