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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




パッと見、
"裸で抱きしめ合う高校生男女"という
甘々でベタベタ?!な状況だけど、
心の中は、
"もう、絶対、離れない♥️"的な
二人だけの未来に溺れているわけではなく

…ようやくの脱処女の達成感に浸る彼女と、
この後の展開に頭を悩ませる俺…

そんな現実的な俺達に、
容赦なく押し寄せるリアル。

カーテンを閉めた暗い部屋。
とはいえさっきまでも、
前の道路を車が通るたび、
ヘッドライトが部屋を薄く照らし、
そしてすぐに暗闇に戻っていた。

でも、
今。

うっすらと差す灯りは、
なんとなく、ずっと、消えなくて、
時々、赤っぽい光になったりして、

音が…
車の、バックする音が。

『…なぁ、まさか、』

うっとりと閉じかけていた彼女の瞼が、
パッと開く。そして、

『やだ!帰ってきた?!』

ええっ、う、そ、だ、ろー(;゚Д゚)

ガバッと、体が離れる。
…あぁ、抜くときは痛くないみたいだ…

立ちあがってカーテンの隙間から
外を見た彼女。

『か、帰ってきた!センパイ、』

『あぁ、』

幸い、早着替えは、部活で慣れてる。

ズボンを拾おうとしたら、
目の前の彼女の太ももに、赤い筋。
…処女喪失の証の血…だ。

これ、その辺についたらヤバいよな?
思わず俺の手で拭こうと触れたら

『ちょっと!何してんの!!』

バシッ。彼女に殴られた。

『痛っ…違うって、ほら、血…』

『ぁ、ぁぁ、ご、ごめんなさい、
ぇと、なんかこの期に及んでまだHな…』

んなこと、あるかいっ!!

『いいから!早く拭けよ!』

片手で着替えながら
もう片方の手で、ティッシュを渡す。

バンッ。
外からは、エンジンの音が消え、
車のドアが開閉する音、そして
人の話し声。

あぁっ、修羅場、確定か?

ボタンも閉めずシャツを着て
荷物をバッグに押し込む。

『どーすっか?!』

彼女は、泣きそうな顔で
自分の身なりを整えながら、

『ママ達が玄関に入ったら、
私、下で足止めしておくから、
センパイ、その窓から、逃げて!』

そうだ。
さっき、彼女が靴を
ベランダに持ってきてくれてた。

『わ、わかった。』

玄関の鍵を開ける音がする。

『センパイ、気をつけて!』

『あとは、頼んだ!』

部屋のドアを開けて出ていく彼女と、
ベランダから闇に紛れて逃げる俺。

…スパイ映画かよ…

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