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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




部活があってよかった、と思う。
無心に体を動かしてると
何にも考えなくていいから。

ボールに力をぶつけて、
大声でトスを呼ぶ。
汗びっしょりかいて、
金田一の凡ミスに大声で笑い、
国見の抜け目のなさにまた笑い、
及川と岩泉のいつものやりとりを
花巻と二人で仲裁する。

…いつもと変わらない場所があって、
本当によかった。
今日は、家に帰りたくない気分だから。

『あざーっした!』

練習が終わると、
いつものように後輩たちが片付けを始める。
着替えるために部室に戻ろうとしたら、
大きな声で及川に呼び止められた。

『そこ3人、ちょっと待った!』

『?』

『週末の練習試合の前準備、手伝って。』

『あ?キャプテンの仕事だろーが。』

岩泉が即座に言い返す。

『岩ちゃん、わかってないねっ。
春高県予選は、もう目の前なんだからさ。
みんなで苦労も喜びも分かち合って、
同じ気持ちで試合に臨もうよ!』

『…自分が一人だけ残ってやるのが
イヤなんだろ?暗い学校が怖いとか?』

笑いながら茶化す花巻。

『まっきー、そんなこと言うと、
みんなにバラしちゃうよ?
あのさ、まっきーは、昨日、俺があげた
AVコレクションの"同級生シリーズ"が
気に入っちゃってさ、皆には内緒で
他のバージョンも貸せって…』

『あわわわわわ(;´゚д゚)ゞ
ば、ばらすな!何でも手伝うしっ!』

『ふふん、
キャプテン、なめちゃいけないよ!
じゃ、岩ちゃんとまっきーは
持ち出し道具の確認、しといて。
まっつんは、俺と職員室。
バスの利用依頼書、出しに行くから。』

ガヤガヤと賑やかな体育館を背に、
暗い渡り廊下を及川と二人で歩く。

『なんだよ。なんか用があるんだろ?』

…だいたいいつも、
及川は岩泉とセットで行動してる。
わざわざ俺と二人で動こうなんて、
何か、仲間の前では
話せないことがあるに違いない。

『…まっつん、何かあった?
今日、すげー、何もかも力んでたよね?』

及川 徹。
俺らのキャプテン。

コイツは、
バカみたいなふりをしてるけど、
全然、バカじゃない。

一人一人の力も性格も精神状態も、
的確に把握する能力がある。
だからこそ、俺らの絶対的キャプテンだ。

…残念ながら、女癖は悪いけど(笑)
むしろそんなところが魅力でもあって。

『なぁ、及川、あのさ、』


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