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君のために生まれて君のために殺される

第1章 君のために生まれて君のために殺される


そのあとはなかなかに早い行動だったと思う。警察の人が移動に、とくれた車いすで家を出た。
私が訪れたのは私の家だ。元家、というべきか。外観は普通の民家だ。あの日以来人が立ち入っていないのか中はそのままだった。
玄関で見つけたお母さんがつくってくれた真っ赤な布靴は私にぴったりだった。
お父さんが使っていたかわいい猫さん柄のライターも見つけた。
お姉ちゃんの部屋で中学校の黒いセーラー服を見つけたのでそれを身に着ける。
なかなかに不思議な格好だとは思うけど、これでいい。
家族に包まれてるなんて、最高の喪服だ。
午前三時。そろそろ夜が明ける。
お父さんの猫さん柄のライターをつけて、長く長く伸びた白い髪に来世では本当の家族になれますようにと祈って、それから____


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