第7章 空想の森~幸村~
幸村は、小屋を見つけた。
(ここから、か?)
幸村は、小屋に近づいた。
すると、中から何かが動いた音が聞こえた。
幸村は、ゆっくりと扉を開ける。
「・・・・っ!」
そこには、無残に書物を転かした跡があり、そこには顔を隠す赤色の着物を着た少女がいた。
「お、おい。お前。」
幸村は、その少女に近づく。
少女は、それに気づいて声をあげた。
「こ、来ないで!!ここから出て行って!!」
少女の声は、震えていた。
「だ、だけど。お前だろ?助けを求めたのは?」
「え?」
少女は、顔をあげる。
「あ、あなた。私の声が聞こえたの?」
「ああ。だから来たんだ。」
幸村は、手を差し伸べる。
少女は、そっと手を近づけようとするがすぐに戻す。
「あなたが、私に殺されるからダメ。」
「どういう事だよ?」
幸村は、理由を聞く。
少女は、ポツリポトリと話していった。