第7章 空想の森~幸村~
(紅音目線)
〜紅音の過去〜
『母さん、なんで私たちは外をでちゃいけないの?』
『紅音・・・』
紅音の母は、紅音をぎゅっと抱きしめた。
『ごめんなさいね、紅音』
『母さん?』
きょとんとした紅音は、母を見上げる。
母は、目の端に涙を流していた。
ーある晴れた日ー
『母さん!これ読んで!!』
しかし母は反応しなかった。
『母さん?』
『スヤスヤ……』
寝ていた。
『(ムー、)』
紅音は、外を見た。外は晴れていて小鳥たちが気持ちよく鳴いていた。
『(あっ!よーし!)』
紅音は、母との約束“外に出ないこと”を破った。
外で遊ぶ紅音の後ろに二つの影があった。