第1章 かげろうでいず〜家康〜
家康は、城下を走り回った。
「日和!!どこ!!」
家康は、日和の名前を呼ぶ。
家康は、日和の後ろ姿を見つける。
日和は、家康に気づいたようだ。
「家康!?どうしたの!?」
「日和………よかった……。」
家康は、ぎゅっと日和を抱きしめる。
「家康?どうしたの?冷や汗?」
日和は、家康の顔についた汗を布で拭く。
家康は、日和をもう一度見る。
日和は、にっこりと微笑んだ。
(よかった……。本当に…。)
家康は、安心そうにため息をつく。
そして
「帰ろう。」
と強い言葉で日和の手を握って御殿に戻ろうとする。
「えっ!?家康!!待って!!まだ、買ってないものがあるの!!」
と日和は、家康に言う。
家康は、また別のため息をついた。
「わかった。じゃあ、一緒に行こう。」
と言って日和の後をついていく。
「わー!この生地いいですね!!」