第1章 かげろうでいず〜家康〜
「はっ!!!!」
家康は、自分の御殿の褥の上にいた。
(さ、さっきの夢?)
家康の体は、汗だらけになっていた。
息切れもしていた。
すると、政宗が入ってきた。
「家康、大丈夫か?」
「政宗さん………。」
家康は、立ち上がって政宗の首元にある着物の布を掴む。
「ぐえっ!!!!!」
「政宗さん!!日和は!?どこにいるんですか!!!」
「言うから!!!離せっ!!!」
家康は、政宗を離す。政宗は、はーはーと息切れをする。
「さっさと言ってください。」
「お前な………。日和は城下に行ったぞ。」
家康はホッとしたが、すぐ凍りつく。
もし、日和があの崖のところにいたら…。
日和があの黒猫と出会っていたら…。
家康は、すぐに着替えて城下に向かった。
「家康!!!」
政宗の声も聞かずに、家康はただ城下に向かった。