第6章 お世話戦争~秀吉~
そして、帰還する当日。
「皆様、お世話になりました。」
「小梅、また来てね。」
「あんたの仕事、ちゃんと用意しておくからね。」
「小梅、また会えたらいいね。」
と女中にさよならの別れをして、小梅は安土城を出る。
「んん、外の空気いいわ。」
小梅は背伸びをする。すると、後ろから声がする。
「小梅、」
「あら、秀吉様。どうされましたか?」
やって来たのは、秀吉であった。小梅は笑顔を作る。
「途中まで送っていこう。」
(この人は、最後の最後まで世話を焼くつもり!?)
「大丈夫です。」
「いや、送っていく。」
「大丈夫ですよ。」
「早く行くぞ。」
「・・・。」
秀吉は勝手に小梅の手を引いて歩き出す。
(聞けよ!なあ!!)