第6章 お世話戦争~秀吉~
「はあ、いいわ。豊臣から仕事を取るのは。」
小梅は一人極楽そうにお湯に浸っていた。
(しかし、安土城の土台は豊臣だな。)
小梅は、安土城に潜伏した頃のことを思い出していた。
それは、ほとんど。
ことごとく。
秀吉から仕事を持っていかれたものであった。
実は、いまも小梅の仕事をことごとく取っている。
(私が食器を運んでいる時とか、私が仕事で使う反物を取られたりとか・・・)
そこで思いついたのは、日和や武将たちの面倒を見ることにすると、それは簡単に呆気なく取れたのであった。
(その時の秀吉の顔は格別だったな。もう少し、遊びたかったがそろそろ春日山城に帰らないとな。)
そう、小梅は昨日の夜、謙信から帰還するように言われたのである。