第1章 かげろうでいず〜家康〜
「家康!見てー!!この猫!!」
日和は、どこからか猫を見つけて抱いて連れて来た。
「黒猫?」
「うん!結構珍しいよね。黒猫って!」
と日和はムギュウと猫を抱きしめる。
その猫は、にゃあーと鳴く。
そして、猫は家康を見る。
「.………っ!!」
家康は、息を飲む。
その猫は、ごく普通に見られる猫とは全く違う空気を漂うからだ。
「日和。早く、その猫を元のところに戻してきな。」
と家康は日和に言う。
日和は、少し悲しむ顔をする。
「わかった………きゃっ!!」
と日和が言った途端黒猫は日和のところから飛んで離れる。
黒猫が向かうのは………
崖の"向こう側"であった。
「待って!!」
日和は、崖の方に向かう。
「日和!!」
家康は、日和を止めようとした。
が、遅すぎた。