第4章 戦国時代と一夜物語〜政宗〜
「露鬼。」
露鬼は、誰かに呼ばれた。露鬼は、ゆっくりと振り向く。そこにいたのは、
「政宗様……」
そこには、政宗が立っていた。
「帰りが遅いから迎えにきた。」
「そうですか……すみません。心配をかけてしまって……」
と言いながら露鬼は立ち上がる。立ち上がると、政宗は露鬼の細い手首をとる。
(痛っ!!)
露鬼は、あまりに握られた力が強くて思わず目をつぶった。
政宗は、低い声で話した。
「おい……この傷どうした?」
政宗は、さっき子供に石を投られてできたかすり傷に目をしていた。
「これは……ただ、私が転けただけです。」
と露鬼は嘘をついた。
もしここで、さっき起こったことを口にするともっとひどいことをされると思ったからであった。
政宗は、露鬼の手を引いて馬に乗せる。そして、政宗も露鬼の後ろに乗る。
「家康のところに連れて行く。反論は無しな。」
政宗は馬を走らせた。