第4章 戦国時代と一夜物語〜政宗〜
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露鬼は、異国と日本の人間から生まれた、いわゆる日本人の半分の血と南蛮人の半分の血が混ざっていた。
しかし、露鬼が生まれたすぐに南蛮人であった露鬼の父親は死んでしまった。
露鬼の母親は、女手一つで露鬼を守っていた。
何から?
露鬼を化け物という村の人々から。
ある昔、露鬼は山の中にある小屋に閉じ込められたことがあった。
露鬼が化け物という理由で。
それを知った母親は、露鬼を助け出すことができたが村の人々に見つかって殺された。
露鬼は、小屋から出るとすぐに走って逃げた。
そして、露鬼は安土城の者に拾われた。
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(信長様には、感謝しないと……)
『安土城の者』というのは、信長のことであった。
(私が南蛮人の血があると言ったらすぐに女中にしてくれたし……)
パカラッパカラッ
馬が駆け出す音が聞こえた。