第4章 戦国時代と一夜物語〜政宗〜
子供が叫んだ瞬間、その子どもの母親だろうか、女の人が露鬼に近づいて子供をすぐに連れて行く。いや、離れさせる。
安土城下は、ピリッと空気が押しつめていた。
(………)
しかし、露鬼はゆっくりと立ち上がった。
町の人たちは驚いてすぐ露鬼を睨みつける。
露鬼は、早くこの場から逃げようと思い歩く。
町の人たちの子供は私に石を投げてきた。
露鬼は、石が当たるが痛みがない。
町の人たちはもっと露鬼が恐ろしく見えた。
露鬼は、駆け出した。
町の人たちは、露鬼から避けた。
駆け出した露鬼は、河原にいた。
子供から投げられた石の傷を少しでも消すために。
「・・・・・・」
露鬼は、ふと自分の目を触った。
露鬼は、自分の目が忌々しいと思っていた。
(どうして……私の目は……)
露鬼は、川に自分の顔を映らせた。
そして、なぜみんなが露鬼を『化け物』と呼ばれているかがよく分かる。
(私の目は、海の色や空の色と同じ………青い目なの?)