第3章 人形卍ばーすと〜謙信〜
「信玄。俺は先に行くぞ。」
「はあ!?おい!待て!」
「信玄無駄だと思う」
と言って義元は信玄の肩を捕まえる。
「礼を言う、今川。」
「どーいたしまして。」
義元は扇を広げて微笑む。
謙信は、あの噂の『織田の舞』と刀を交えたいと思っていたのだ。
謙信は、家臣を連れて戦場に向かう。
やあああ!!!
ぐわああ!!
殺っては殺られて
戦場は血の匂いで漂っていた。
謙信は、ゾクゾクとした。
すると、敵陣の奥に他の兵士と違う雰囲気の兵士が馬にまたがっていた。
片目を隠すように左目は、隠れていた。そして、何度も前線部隊に選ばれたのであろう首に刀傷があった。
「あなたが『上杉謙信』ですね。」
「貴様が、『織田の舞』か?」
謙信がそう言うと兵士は刀を構える。
謙信は、ニヤリと笑って馬から降りる。
「自害するのか?」
「いや、貴様は俺より弱いから手加減だ。」
と言うと、チッ、と舌打ちをして『織田の舞』は馬から降りる。
「弱いって言葉嫌いなんですよ。」