第3章 人形卍ばーすと〜謙信〜
…………………
『謙信様!行きますよ!!』
『ああ、』
と謙信が笑う。このやは謙信に向けて竹刀を下ろす。
『やあああ!!』
『まだ甘い。』
と言ってスルリとこのやからの攻撃を避ける。
『もう1回!!ていやあ!!』
『はあ、お前はいつ上達するのだ?』
ポカン
謙信は拳でこのやの頭を叩く。
『今日こそいけた気がしたのに!!』
と隣で言い訳をするこのや。
(まあ、最初の頃よりは良かったな。)
と謙信は、ふと笑いこのやの頭を撫でた。
『このや、貴様にいいものを渡そう。』
『いいものですか?』
謙信は懐から剣職人に頼んでいたこのや専用の短刀を渡す。
『わあ!』
このやは、目を輝かせた。
『ありがとうございます!!謙信様!大事にしますね!』
と言ってこのやは、急いで自分の部屋に戻って短刀を研ぎに行った。
……………
「ふっ。」
謙信は、笑ってしまった。