第3章 人形卍ばーすと〜謙信〜
「佐助、幸、それに小梅。安土の偵察に行っておけよ。」
と信玄が言った。
「「「わかりました、信玄様。」」」
と同時に声を出す三人。
「信長か……竹千代がいるのか。」
「早く戦をしたい。」
と義元と謙信が言った。
「おいおい、お前ら。やめろよ、単独でするのは。」
と信玄が制する。
この後、夕方になるまで軍議が続いた。
「・・・・・・」
謙信は、道場の真ん中のところで正座していた。
静かだ。
だが、謙信には静かと言う言葉ではなく"懐かしい"と言う言葉であふれていた。
それは、まだ信玄らが春日山城にいなく佐助にもあっていなく、上杉家が強い時の遠い昔のことであった。