第1章 かげろうでいず〜家康〜
家康は、日和との待合場所に着いた。
日和の姿が見つからない。
キョロキョロと辺りを見渡すと、家康に気づいた日和が手を振る。
(いた……。)
家康は、すぐに日和の元に近づいた。
「なんで、一緒に住んでいるのに待ち合わせをするの?」
「それは……んー。私が、元いた時代はね、恋仲は待ち合わせをして出かけるからだよ。」
家康は、キュンと胸をならす。
(可愛い……)
家康は、ぎゅっと日和を抱きしめる。
「い、家康?」
「シッ。じっとしてて。」
日和はおとなしくじっとした。
(可愛い……)
家康は、そう思うと日和の手を握って
「行くよ。」
と言った。
日和は、目を輝かせて、うん!、と頷いた。