第2章 嘘つき者は小娘に恋をした〜光秀〜
「柳波さんこそ。ここで何しているんですか?ここは、安土と安土の隣村の間にある森の中ですよ?」
とまだまだ警戒を解こうとしない紅音が光秀を睨む。
「ああ、俺は今からその隣村に向かってるんだ。」
と光秀がそう言うと紅音は、鋭い目を解く。
「そうでしたか……。すみません。早く急がないとここの森迷うと危ないですよ。」
と紅音は言う。
光秀はある事を思いついた。
「案内してくれるか?」
「は?」
紅音は、光秀が言うことに驚く。
光秀は、話を続ける。
「貴様、見たところその隣村の農民だろう?」
「まあ、そうですけど…。」
紅音は、ひどく焦っていた。
(まあ、当たり前だろう。紅音にとったら、俺は安土城の兵かもしれないと思っているからな。)
光秀は、紅音にバレないように笑う。
紅音は、少し考え込んでいたが決断したようであった。
「いいでしょう。」
「礼を言う。」
「では、ちょっと待ってくださいよ。準備しますので。」
と言って紅音はさっきまで花摘みをしていた茂みの陰に行った。