第16章 見えない鎖~三成~
「三成さん・・・。」
そこにいたのは、兄上のお友達の三成さんであった。
「どうされましたか?」
三成さんは私の涙をふき取った。
「うんうん。何にもないよ。あ、そうだ。三成さん、秀吉さんって御殿にいるのかな?」
私は、誤魔化して立つ。
「いいえ。今は、天守で信長様と話していらっしゃいますよ。」
と三成さんは笑った。
「あらそう。なら、台所にいこっか・・。」
と私は、台所に向かおうとした。
「お待ちください、純恋様。」
と三成さんが私の腕を掴む。
「!」
「相談ならいつでも乗ってあげますから。」
そういって、三成さんは腕を放した。
私は、返事をするとすぐ台所に向かった。