第16章 見えない鎖~三成~
「純恋、おきた・・・・・って、どうしたの!?」
「兄上・・・。」
入ってきたのは、兄上であった。兄上は、すぐ私のところに来ると、目に溜まっていた涙をふき取る。
「・・・兄上・・・・。」
「どうしたの?」
私はぐっと掛け布団の上で拳を作ると
「母上と父上の夢を見ました・・・。」
「・・・そうか。それで泣いたんだね・・・。」
私は、小さく頷く。
兄上は、優しい手つきで私の頭をなでる。
「・・・お腹すいたので、何か盗ってきます。」
「ねえ、なんで『取ってくる』の漢字が『盗ってくる』になってるの・・・って。」
私は、サササッと部屋から出ていた。
兄上、そこは気にしないでくださいませ。
私は、すばしっこく歩いた。
しかし・・・