第16章 見えない鎖~三成~
子供
「かーちゃん!とーちゃん!」
母
「はいはい。」
父
「そんなに慌てるなって。」
そんな様子を私たちは見ていた。
「いいですね。」
と日和さんが言う。
「・・・・。」
私は黙っていた。
ーははうえ、ちちうえ・・・ごめんなしゃい・・・。
私は思わず寒気に襲われた。
「・・・・っ!」
「純恋ちゃん?・・・純恋ちゃん!!」
私は、日和さんの声を最後に気を失った。
~
『ははうえ・・・ちちうえ・・・。』
『あんたは、さっさと伊達の人質になりさい!』
『はあ。家康が今川のほうでなくお前が行けばよかったのにな。』
『ふえ・・・』
『こんなところで泣かないで頂戴!』
バシッ
『ご・・・ごめんなしゃい・・・・ごめんなしゃい・・・・』
~
「・・・。」
私は、ムクりと起き上がった。
まただ・・・。