第2章 嘘つき者は小娘に恋をした〜光秀〜
それは、恋しい秋という季節。
「光秀、安土近くの村はどうだ?」
「はい。信長様。どうやら、向こうの大名はこちらの動きを知っているようです。」
この日、軍議を開いていた。
「そうか。この件は、光秀に任せよう。」
「わかりました。」
光秀は、にたりと笑うとすぐに仕事に移った。
光秀がいなくなった広間。
「信長様、光秀に任せていいんですか?」
と秀吉が険しい顔つきで信長に聞く。
「ああ、大丈夫だろう。」
と不敵の笑みを見せる信長であった。
他の三人は黙って聞いていた。
まだこの時は、光秀はいろいろ功績を残しているがそれはほとんどが安土の者を裏切ると言うものに近いものであった。
だから、あまり光秀には大きな事を任せることがきついと言う話が安土に持ちっきりであった。
「光秀様、手紙がやってきたようです。」
「ありがとう、与次郎。」
光秀は、与次郎から隣村からの手紙を受け取る。
光秀は、ざっとその内容を読み取る。
「そうきたか……。」
光秀は、ニヤリと笑った。
そして
光秀は、与次郎に、しばらく安土を離れる、と言うと御殿から出ていった。