第12章 すれ違い〜政宗〜
あれ?そういえば?
「政宗様は?」
「純恋。政宗さんだけは、そんなかしこまった言い方なんだね。」
兄上は呆れて言う。
「いいじゃない!兄上だって、政宗様の方が上司だからそう呼ぶべきなんだよ!私だって、過去にお世話になったからこう言う呼び方なの!」
「昔お世話なった?って事どう言うわけだ?家康。」
と秀吉さんが言う。
兄上は、はあ。とまた溜息。
寿命短くなるよ。
と心の中で突っ込んでおこう。
「純恋も俺と同様、人質として子供の頃を過ごしていました。純恋は、政宗さんのところで育ったんですよ。」
「でも、私より兄上の方が辛いです。だから、私があの時今川家の方に行くべきであった。」
私は、小さな声で言うとスウと大の四人の男から抜ける。
「兄上。私、ちょっと政宗様の御殿に行って参ります。」
「え?ちょ、純恋!」
私は、サササと政宗の御殿に向かった。