第1章 かげろうでいず〜家康〜
(昼時……)
家康は、空を見上げるとすぐに猫の方を向く。
そして
「わあ!!」
猫は、日和から離れて崖の方に向かう。
「待って!!」
日和は、猫の後を追いかけようとする。
しかし、家康はすぐに日和の腕を掴み、日和を崖から離して、
「日和、バイバイ。」
と日和に笑った。日和は、目を見開いていた。
家康は、黒猫を助けようとする。
猫を捕まえると、もうその先は崖の端。
「猫。お前に日和を殺させない。」
と家康は猫に笑い、崖から落ちる。
「家康!!!!!!」
日和の声が上から聞こえる。
そして、だんだんと聞こえなくなっていた。
家康は、薄っすらと目を開ける。日和は、泣き顔で顔がぐちゃぐちゃであった。
(泣かないでよ。俺だって、あんたと離れたくなかった。)
家康は、そのまま猫を捕まえたまま崖から落ちた。