第10章 汚染にかかった私〜光秀〜
「ほう、そうか。」
信長様は、酒の共をしてくれと言った。
「日和姫様は、どうされましたか?」
普通なら日和姫様と一緒にお酒を飲むと言うのに……
「今宵は、貴様の父親の話を聞きたいのだ。」
父親の話。
普通の人ならそれは驚かないことだろう。
だがそれは“普通の人”ならである。
「父の……南蛮人のお話ですか?」
「そうだ。」
これが、みんなが私を嫌っている理由。
「分かりました。」
私は父のことを話し出した。
私は、誰かと話がすることが好きであった。
だが、父のことの話はあまりしてほしくなかった。
だけど、こうやって酒を交えて話すのなら話は別だろう。
私は、今宵の信長様との話はとても楽しかった。