第9章 まにまに
このやは、その鏡を日和に渡す。
「この鏡は、日和姫様にあげます。」
「え?で、でも、すごく高かったんでしょう?」
日和が慌てて返そうとするが、
「いえ。鏡は、神様が宿ると言われていますのでどうしても日和姫様にあげたいんです。」
このやは、諦めない。
「じゃあ、お礼に何か着物を作らせて。それならいいでしょう?」
「はい!ありがとうございます!」
日和は、このやから鏡を受け取る。
「あ、そうです。日和姫様、露鬼から聞きました。一人でいたい場所をお探しと言うこと。それならいいところがありますよ。」
「本当!?」
「しー。皆様に気づかれてしまいますゆえ。」
日和は、慌てて静かにする。
「実は……」
次の日、安土の太陽の姫がいなくなった。