第3章 chaputer1
......何で助けたかなんてわからねぇ
強いて言えば...似ていたから、"あいつ"に。
その日はだるくて五時限目から授業をサボって屋上に来ていた。
まぁ...
やることだってなかったしいつの間にか寝てた。
んでだ。
問題はこっからだ。
騒がしいと思って起きれば男女で言い争い...いや、明らかに男が迫ってるっていう状況を見た。
正直うぜぇし無視してやろうと思って行こうとした時だ。
『だ、誰かっ、助けてっ』
...そいつがそう言うと体が勝手に動いてた。
助けるとか全然柄じゃねぇのに。
でも、どこかすごく"あいつ"に似てて...
そういうのもあったから礼なんてもん言われたくなかったからさっさと屋上を出てやった。
...でも
リムジンに乗って家に帰ってそこから寝るまでずっとあの時のそいつの声と顔が頭から離れなかった。