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I don't like you 〜耳をすませば〜

第2章 夏に始まる


〜星海side〜

夏。

今、夏休み真っ盛りのこの時期は、もうそろそろ進路を決めていかなければいけない時期である。

私、水野谷星海。

中学3年生。

勉強はしてるが、高校を決めていない奴である。

私は夜の道を、塾のカバンを振り回しながら歩いていた。

生ぬるい風が、私の黒髪を持ち上げた。

その瞬間、自転車のブレーキ音が響いた。

聖司「よぉ。塾の帰り?」

星海「うんまぁ。」

こいつは天沢聖司。

私の幼なじみである。

みんなにとっては顔がいいクール系男子らしい。

頭がいいのは認めるが、それ以外は認めん。

聖司「乗っけてこうか?」

星海「結構です。」

聖司「なんだよ。せっかく親切に言ってやったのに。」

と、断ったのに付いてくる聖司。

星海「なんで付いてきてんの。」

聖司「俺も帰り道こっちだもん。」

まぁ、いいか。


ふと時計を見た。

今、7時30分だ。

やばい。

あと5分で帰らないと。

このあとバレエのレッスン入ってるし。

星海「やばい聖司。あと5分で帰らんと。」

聖司「はぁ。だからさ。」

聖二は自転車を止め、私のバックを取り上げて自転車のハンドルにかけた。

そして、後ろを指差し

聖司「乗れよ。」

と、言った。

星海「いいの?」

聖司「当たり前だろ。」

私は少し戸惑ったが、お言葉に甘えて乗せてもらうことにした。

聖司「落っこちんなよ。」

そう言って聖司は自転車をこぎ始めた。

聖司「お前まだバレエやってんのか。

おばさんの趣味だろ?」

星海「そうだけどさ……やめたいって言ったらめんどくさい事になりそうだし。

お母さんは将来私をバレリーナにしたいみたいだし。」

聖司「お前自分の夢ないの?」

は?

突然すぎる言葉。

星海「っ……そっ…そんな事言ってる聖司はあるの!?」

聖司「あぁ。俺、プロのバイオリンづくりになりたいんだ!」

星海「え!?そうだったの!?」

聖司「まだ誰にも言ってなかったしな。」

と、聖司はニコニコして言った。

そして、いつの間にか家の前だった。

聖司「お前も自分の夢見つけろよ!

じゃーな!」

そう言って聖司はすぐ隣の家に帰っていった。

自分の夢か…
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