第2章 Linaria~幻想~
その口ホチキスで止めるわよ。
「わはははっ!総悟もそれじゃ形無しだな!」
いやぁ、見たかったなと近藤さんは呑気に言うが、こちらとしては冗談じゃない。
あの目は本気と書いてマジと読むくらい、あの笑顔は一撃必殺、横文字に直すならクリティカルヒットだ。
「総悟がに突っかかれば何時でも見れるさ。な、総悟」
ニヤニヤ気持ち悪いんでィ。
そう言った土方コノヤローはマヨに埋もれて窒息すれば良い。って、これはコノヤローにとっては腹上死か。
「所で、さんはまだ帰って来ないのか?」
買出しと言ってもスーパーだろう?
そう言った近藤さんは視線を時計の針に向ける。
俺もその方向へ向けると時計は午後四時を指していた。
出て行った時間は昼過ぎ。どう考えても遅過ぎるだろう。
確か此処に来たばかりだから地理に詳しくないと言っていた様な…。
きっと迷子になっているに違いない。
チッ…
めんどくせーけど、何か放って置けない。
「…近藤さん、ちょっくら見回りに行って来やす」
これで誤魔化せたとは思えないが、とりあえず探しに行くか。
「ククっ…アレでも可愛い所あるじゃねーか」
「はははっ。違いない」
そんな事を二人が話していたなんて、俺は知らない