第1章 我儘な隠し事(青峰)
幼馴染というただの口実でも良い
恋愛なんてもの叶わなくても良い
ただ、近くに居る事が出来れば私はそれで良かった。
でも…
貴方が私に構ってくれる理由は、"バスケ"という共通の趣味と"約束"があったから。
もう一人の幼馴染みたいに、私は女の魅力も無ければバスケ以外取り柄なんてもの持ち合わせていない。
約束が守れなくなった以上、私に何もなくなった。
魅力なんてもの一つもない。
貴方は、優しいから"その事実"を知れば心配してくれるだろう。
だけど、お荷物にもなりたくないし何もできない弱い存在として認識されたくない私の我儘を許してとは言わないけれど勝手だと言われるだろう。
それでも『約束が守れるはずの幼馴染』の存在のまま、貴方の傍から離れさせて下さい。
出来ない存在になってしまうくらいなら、その事実を隠してでも私は貴方に嘘を吐いて嫌われてしまおう。