第4章 tragic love ~季節の流れと共に~三蔵切夢
2人だけの空間
特別交わす言葉なんかねぇ‥
だが、
いつからだ‥
1人でいる時間に違和感を感じるようになった。
“言葉なんざ必要ねぇ‥”
“何の意味も持たねぇ‥”
そう思っていたらお前が同じ事言いやがった。
「言葉じゃない“何か”の方が、アタシには温かく感じるの…変カナ…」
ハニカンだ笑顔の後…向かいに座る俺を真っ直ぐに見つめる黒い瞳‥
先に目を反らしたのは俺だった…。
「フッ‥、イインじゃねぇか‥」
頭に入ってこない活字を目で追い気のない返答
「うん!三蔵ならそう言ってくれると思った!」
お前の心地良い軽い笑い声が響く…
俺の中に…
「あ」
カタン…
るいの声とイスを鳴らす音はほぼ一緒
「アタシそろそろ買い物に行かなきゃ」
部屋に掛けてある時計を見ながら腰を浮かせる
三蔵もその時計を見た後、紫暗の瞳にるいを映す
「今日は買うモノがいっぱいだからッて八戒が一緒………―――…
ハッ、としたように息のんで俺を見つめる驚いたるいの瞳
何考えて今俺は
るいの手首を掴んだンだ…
反射的に…
体が動いた
時間が止まる
離せないお互いの瞳…
「るい‥
「三蔵…。」
俺の言葉を遮るようなるいの静かな声
「仲間…だよね‥三蔵。
ずっとずっと…アタシ達は…」
知らず、呼吸する事も忘れていた…
ゆっくりと肺から吐き出す空気…
その後るいの言葉の意味を理解する為に脳が働いた…
(…あぁ…
そうだな…
分かってンだよ…)
お前のか細い手首を握っていた俺の手からゆっくりと力が抜けてるいの…温もりが無くなった……