第2章 memory悟浄切夢
ー抱き締めたのは…きっと…………“自分の不安”ー
ー何に対しての………?
ーただ…怖かった…………
腕の中のるいの温度を逃がさないように抱いた
『ごじょぉ…』
(そんな声で…呼ぶなよ…)
『ぁ…ン…ごじょ‥ぉ………すきぃ……』
(何で…泣いてんの………)
「るい………好きだ…」
初めて口にした…“言葉”
そして…“あの日と同じ笑顔”……
“あの日”と違うのは………“涙”……………………。
「笑って見せて…………るい…」
濡れた瞳にキスひとつ…
笑顔になるまで抱きしめよう…。
夢か現実か…何処か遠くでアイツの声を聞いた…
震えた小さな声…
『もう…遅いよ…』
明日になれば…るいが俺に言うんだ
『オハヨ…悟浄…』
朝になれば…太陽と同じあの笑顔で俺は目覚めるんだ…………
ー俺はその日…ー
「…んッ…………るい………」
ー甘い………甘い……ー
「……………オイ………………」
手探りでるいの体温探しても…
どこにも見当たらない………………………現実……………………………………