第1章 媚薬に溺れて *アラン
「アラン…っ」
顔を真っ赤にして
ユキがアランを見上げる
「それに、お前の想い
聞こえてた」
「えっ……」
すっげぇ嬉しい
と、ほんとに嬉しそうに言ったあとに
続けて
ユキをぎゅっと抱きすくめて言った
「最近、寂しい思いさせてごめんな」
「え……」
「お前が寂しがってることくらい、
チョコに想いなんて込めなくたって
わかってる」
「ごめ……わがままだよね……」
「わがままじゃねぇよ。
あとしばらく、忙しい日が続くけど
俺はずっとおまえのこと考えてるから」
思いがけない言葉に涙が溢れてくる
「ありがと…アラン…
私も離れてても、
ずっとアランのこと考えてるよ」
「知ってる
…ったく。泣くなよ」
「だって…」
「仕事、落ち着くまで
もう少し待ってろ、な?」
そう言って、アランはユキを抱きしめながら
背中をさすってあげる。
「うん…!」