第1章 媚薬に溺れて *アラン
[アランside]
14日。
朝、廊下を歩いていると
前からジルが深刻な顔で、歩いてきた。
「どうかしたのか?」
「アラン殿。
実は、先日来ていただいた隣国の重鎮との話が
なかなかまとまらなくて……
主に軍事的な面で話に合意が得られず…」
「なるほどな……」
「すみませんが、今日の会議
この件について、議題を追加することになりました。
ですので、会議終了予定時刻は
2時間ほど遅れることになるかと……」
「わかった」
と、アランは答える。
軍事的な面、と言われれば仕方がない。
「申し訳ありません」
と謝るジルに、
気にするな、と言いつつ
(あいつと…会えなくなるな……)
と思う