第1章 媚薬に溺れて *アラン
アランがユキのもとに歩いてきて
ユキの頭をぽんぽんと優しく撫でる
「おまえもお菓子作りがんばれよ」
頭を撫でられただけなのに
ユキの頬は赤く染まっていき
気恥ずかしさを隠すために言葉を紡いだ
「そ、そういえば、アラン
明日って何してるの?」
「明日は…ってか明日も仕事だな」
手をユキの頭に乗せたまま答える
「そっか……少しだけでも…」
……時間ある?
と言いかけたところで
「けど、明日は夜は空いてる」
その言葉を聞いて、ユキはぱっと顔を輝かせて
「ほんと?!
明日ね、渡したいものがあるの」
「じゃあ、夜、俺の部屋来て」
「うん!」
笑顔で答えるユキを見て、
楽しみにしてる、
といってアランはキッチンを出ていった。