第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
【forty-seventh.】
※前回同様セリフ抜粋、捏造注意※
何かがおかしい…。
これが竹中半兵衛の前に対峙した俺の感想。
この違和感半端ない中で互いの得物がぶつかり合い、金属独特の甲高い音が響き渡る。
勿論、俺の攻撃なんて竹中半兵衛には少しも効いちゃいないし、避けられてはそれを俺が追いかける。
それの繰り返しだ。
ちくしょう…。
これじゃ、きりがない。
「っ俺は!何があっても三成様を守るって決めてんだ」
俺は力一杯に竹中半兵衛を切り付けた。
届いた…!
そう思ったのは一瞬で俺が切ったのは彼の残像だった。
「しまっ…!」
しまった。
そう言おうとしたが、最後まで言葉にはならず、俺の二対の内、片方の得物が竹中半兵衛により、吹っ飛ばされた。
「っ…、んのヤロー…」
がら空きになった手の平を力一杯握り、俺はまだやれると自分に暗示をかけるように得物を持ち直し、再び竹中半兵衛に向かって行った。
残り、一振り…。
「三成君への想い、か…」
今度は僕の番、と言うように物凄い速さで俺を畳み掛ける。
俺は残った一対の得物で何とか攻撃を防ぐ。
「くっ…!」
これが、竹中半兵衛の…本気。
イヤ、まだまだこんなモノじゃ無い筈だ。
それに…今、俺は斬られてる筈なんだ。
なのに微妙に急所を外しながらも的確に攻撃は続けられている。
もしかして…
そんな事を考えていると、竹中半兵衛は先程とは打って変わって穏やかな表情で言葉を綴った。
「君はそのまま育つと良い。何時か三成君の跡を…」
継げる様に、ね…。
あぁ、そうか。
そうだったのか…。
やっとわかり始めた違和感の正体。
俺はこの言葉で竹中半兵衛の思惑が疑心から確信へと変わりつつあった。
俺はそのまま言葉を綴ると竹中半兵衛はさぁ、どうだろうね…とはぐらかす。
俺、何となく解ってきちゃったよ…。
「半兵衛様…ちょっと、カッコよすぎじゃね?」
俺は半兵衛様に向かってそう言うといまいち伝わっていないせいか、と言うより解っていないらしく穏やかだった表情は一変し無表情で首を傾げていた。
「君の言葉は独特すぎて…」
僕には解らないな。
「っ…!!」