第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~
「ん…」
我は名前の唇を塞いだ。
久しく味わう名前の唇は前より甘みが深くなった様にも思う。
その甘さは我の理性を容易く切る。
いや、名前と分かった瞬間、我の理性などないに等しい。
その口付けは更に深くなり、無我夢中で名前の口内を犯し続ける。
「ぁ…んっ…」
唇の隙間から漏れる淫らな嬌声が我の欲望を滾らせる。
気持ち良い…。
そなたは何故、か様に気持ちが良いのか。
名前の唇は互いの唾液で溢れ返り、それの銀糸が我とそなたを繋ぐ。
我はそれが引き金となり、ゆっくりと#名前#を地に縫いつけ夢中で犯した。
逃げる舌を追いかけ、我の舌を絡ませる。
「あっ…ダメ…」
名前は嫌がるも、我は構わず続ける。
そして、名前をうつ伏せにし、名前が喜ぶ背筋を舌でなぞらえた。
「ぁ…っ…」
しなる身体が美しい。
淫らな名前が愛しい…。
あぁ、もっと喜ぶが良い…。
あぁ、もっと感じるが良い…。
熱くなる身体、紅に染まる素肌。
全て、我の色に染まるが良い…。
「ぁっ…もっ、と…」
我はその台詞で全てとらわれ、名前の中に己を捩じ込んだ。
その瞬間名前の身体は弓の様にしなり、より一層高い声で啼いた。
「っ…名前、名前、名前っ…!」
あぁ、気持ち良い…。
中で我の欲が膨れ上がる。
それに名前が応え、卑猥な水音が響く。
白の世界で我とそなたの二人。
聞こえるのは、我と名前の淫らな吐息だけ。
「んっ…、あなたは…」
#名前#がもう一度我に問う。
「っ…思い出してみよ…っ」
我はその瞬間、名前の中で果てた。
夢での逢瀬。
我は…
再び
囚われる。